「好き」を発信する

オタクのブログ

2018年6月ライトノベル新刊

2018年6月ライトノベル
日付 レーベル 作品名 筆者 イラストレータ
1 角川スニーカー文庫 暗黒ハローワーク! 俺と聖母とバカとロリは勇者の職にありつきたい 久慈マサムネ ゆーげん
英雄の娘として生まれ変わった英雄は再び英雄を目指す2 鏑木ハルカ 晃田ヒカ
好きって言えない彼女じゃダメですか? 帆影さんはライトノベルを合理的に読みすぎる 玩具堂 イセ川ヤスタカ
終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか? #06 枯野瑛 ue
真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました ざっぽん やすも
千剣の魔術師と呼ばれた剣士2 無敵の傭兵は安息の森で強魔を討つ 高光晶 Gilse
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。2 しめさば ぶーた
ミリオン・クラウン2 竜ノ湖太郎 焦茶
ラストエンブリオ5 集結の時、暴走再開! 竜ノ湖太郎 ももこ
若返りの大賢者、大学生になる 猿渡かざみ 一色
HJ文庫 魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとけっこうイチャつく生活だった。 かじいたかし ふーみ
スキル喰らいの英雄譚 III ~迷宮最深部で命を賭して英雄になる~ 浅葉ルウイ peroshi
魔術破りのリベンジ・マギア 4.絶唱の歌姫と魔女たちの祭宴 子子子子子子子 伊吹のつ
<Infinite Dendrogram>―インフィニット・デンドログラム― 7.奇跡の盾 海道左近 タイキ
戦うパン屋と機械じかけの看板娘 SOW ザザ
講談社ラノベ文庫 こいつらの正体が女だと俺だけが知っている 猫又ぬこ 伍長
星空の下、君の声だけを抱きしめる 高橋びすい 美和野らぐ
だからオカズは選べない2 天秤☆矢口 葉山えいし
Kラノベブックス おっさん、チートスキル【スローライフ】で理想のスローライフを送ろうとする 藍色色素 ne-on
最強勇者はお払い箱→魔王になったらずっと俺の無双ターン 澄守彩 jimmy
TO文庫 魔術士オーフェンはぐれ旅 手下編 秋田禎信 草河遊也
8 講談社ノベルス 古事記異聞 鬼棲む国、出雲 高田崇史  
人間に向いていない 大澤いずみ  
ベスト本格ミステリ2018 編:本格ミステリ作家クラブ  
9 電撃文庫 ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン VII ―フォース・スクワッド・ジャム 〈上〉― 時雨沢恵一 原案・監修:川原礫 黒星紅白
新約 とある魔術の禁書目録 (20) 鎌池和馬 はいむらきよたか
はたらく魔王さま!SP 和ヶ原聡司 029
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.17 聴猫芝居 Hisasi
ガーリー・エアフォース IX 夏海公司 遠坂あさぎ
賭博師は祈らない (4) 周藤蓮 ニリツ
恋してるひまがあるならガチャ回せ!2 杉井光 橘由宇
モンスターになった俺がクラスメイトの女騎士を剥くVR 水瀬葉月 藤ます
地球最後のゾンビ ―Night with the Living Dead 鳩見すた つくぐ
蒼穹の騎兵グリムロックス ~昨日の敵は今日も敵~ エドワード・スミス 美和野らぐ
勇者サマは13歳! 阿智太郎 はちろく
カドカワBOOKS 大賢者からアンデッドになったけど、やることがなかったのでエルフの保護者になることにした 笹塔五郎 ちょこ庵
屋根裏部屋の公爵夫人 もり アオイ冬子
悪役令嬢は、庶民に嫁ぎたい!!2 杏亭リコ 封宝
次元の裂け目に落ちた転移の先で2 白竜の盟友 四ツ目 流刑地アンドロメダ
父は英雄、母は精霊、娘の私は転生者。2 松浦 keepout
ホームレス転生2 ~異世界で自由すぎる自給自足生活~ 徳川レモン ox
リアルでガチな天才が異世界に転生しても天才魔法使いになって元娼婦嫁とイチャイチャする話。2 kmsr 珈琲猫
最強の鑑定士って誰のこと?4 ~満腹ごはんで異世界生活~ 港瀬つかさ シソ
TOブックス 本好きの下剋上 ~司書になるためには手段を選んでいられません~ 第四部 「貴族院の自称図書委員 III」 香月美夜 椎名優
塔の魔導師2 瀬戸夏樹 Garuku
無人島でエルフと共同生活 わんた
穏やか貴族の休暇のすすめ。 さんど
VRMMOでサモナー始めました3 テトメト 秋咲りお
12 アルファライト文庫 転生しちゃったよ(いや、ごめん)2 ヘッドホン侍 hyp
俺と蛙さんの異世界放浪記9 くずもち
強くてニューサーガ3 阿部正行 布施龍太
レイン15 攻勢に出る 吉野匠 風間雷太
14 講談社BOX 宵物語 西尾維新 VOFAN
15 GA文庫 遅すぎた異世界転生 人類を滅ぼした魔王ですけどよかったらウチで働きませんか? なめこ印 小龍
百神百年大戦 あわむら赤光 かかげ
勇者保険のご加入はブレイヴカンパニーへ! 冬空こうじ 白蘇ふぁみ
聖剣使いの禁呪詠唱22 あわむら赤光 refeia
最強同士がお見合いした結果2 菱川さかく U35
3年B組ネクロマンサー先生2 SOW がおう
中古でも恋がしたい!12 田尾典丈 ReDrop
超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!7 海空りく さくらねこ
超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです!7 ドラマCD付き限定特装版 海空りく さくらねこ
モンスターがあふれる世界になったので、好きに生きたいと思います よっしゃあっ! こるせ
万年Dランクの中年冒険者、酔った勢いで伝説の剣を引っこ抜く 九頭七尾 へいろー
おっさん冒険者ケインの善行2 風来山 すーぱーぞんび
スライムの皮をかぶったドラゴン2 ~最弱のフリして静かに暮らしたい~ 三木なずな .suke
失格紋の最強賢者5 ~世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました~ 進行諸島 風花風花
剣士を目指して入学したのに魔法適性9999なんですけど!?6 年中麦茶太 りいちゅ
ノベルゼロ アンゴルモア 異本元寇合戦記 銅大 原作:たかぎ七彦 たかぎ七彦

 

下半期は後日追加予定……。

自分の幸せをきめるのは「みんな」?それとも…… 『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢をみない』感想

鴨志田一さんは私が大好きな作家の一人です。

知らない方の為に、一応説明しておくと、鴨志田さんは、2012年にアニメが放送された「さくら荘のペットな彼女」という人気アニメの原作を書いていたり、「Just Because!」というアニメの脚本を務めたりするなど多方面で活躍されている人気作家です。

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感動間違いなしの名作アニメ『Just Because!』のワンシーン

鴨志田作品の魅力は、何といってもキャラクターが持つ心情の機微を見事に表現する筆者の技量にあると言えるでしょう。
作中で吐露されるキャラクター達の心情に私はいつも心を揺さぶられています。

今回紹介する「青春ブタ野郎シリーズ」もそんな鴨志田さんの人気作の一つです。

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青春ブタ野郎シリーズの最新作(2018年5月時点)『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』



まずこのタイトルをきいて、この作品を知らない方が思うことは『「青春ブタ野郎」ってなんだ?』ということでしょう。

この単語は、シリーズ第一作目にあたる「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』で主人公である梓川咲太の長年の友人に当たる双葉理央が「さすが梓川青春ブタ野郎だね」と咲太に投げかける形で初めて登場しています。

 

言葉の意味がわからない咲太が「なんだよそれ」と訊き返すと、双葉は「自分のためには本気になれなかったくせに、美人の先輩のためになら、どんな恥もかけるやつが、青春ブタ野郎じゃなくてなんなのよ」と言います。この台詞通り、作中で咲太は「美人の先輩」である「桜島麻衣」のために奔走し、恥も外聞もなくただ必死で彼女を「思春期症候群」から救いだしています。

「思春期症候群」とは、何かしらの問題を抱えている少年少女の身に起こる不可思議な現象のことです。
例えば、麻衣には「透明人間になる」という症状がでていましたし、咲太の妹の花楓は「身体に原因不明の痣ができる」という症状がでていました。

この「思春期症候群」は一般的は都市伝説の類と扱われ、まともな大人たちはその話を「多感な時期ゆえに不安定な心がみせる心理現象だ」と切り捨てたり、「パニック症状」や「集団催眠」という言葉で類型化したりしてわかったふりをします。

いずれにせよ、この症状は思春期を通り過ぎている「大人」に完全に理解しきれるものではありません。
ただ、十代の少年少女が世間(家族・クラスメイト・友人)との間に感じた何らかのストレスが原因の現象であると考えることは事の本質からそれほど外れてはいないでしょう。

そしてこの症状は、咲太と恋人関係になる麻衣だけではなく、咲太の周りにいる人間に次々と起こり、物語上、咲太はその根本にある問題を解決していく流れになります。

 

ところで、そもそもこの作品で言う「青春」とは何でしょうか。

一般に「青春」「ライトノベル」というキーワードを聴いて私たちが真っ先に思い描くのは甘酸っぱい恋愛模様であることが多いと思います。ですが、一巻目ですでに麻衣と恋愛関係になった咲太が、それ以降、恋愛関係にない他のヒロインの思春期症候群をも解決していくことからこの作品が「青春」としているものは恋愛関係だけではないのではないかと私は思いました。言うなれば、家族不和、いじめ、友人関係などを含めた

思春期の問題にどう向き合うか

ということが作中のメインテーマとして設定されているのだと思います。


今回はそんな「青春ブタ野郎シリーズ」の中から最新巻の「青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢をみない」のレビューをしたいと思います。

※尚、これ以降はネタバレをかなり含むレビューとなりますので、その点はご了承ください。


シリーズ八作目に当たる今作のヒロイン、梓川花楓は咲田の妹で不登校の女子中学生です。花楓はいじめが原因で、不登校になり、それが原因で思春期症候群を発症してしまいます。そして、それ以降、彼女は「お留守番」として学校に通わずに家で日々を過ごすことになっています。

やがて時が過ぎ、そんな彼女も中学を卒業して高校に通わなければならなくなります。
私立中学の受験をした場合は別ですが、そうでない方にとっておそらく高校受験は人生で最初に大きな「決断」を迫られる時期といっていいでしょう。

その「決断」が花楓にとってより良いものであるようにとスクールカウンセラーの友部美和子が助言をしにきます。

花楓の他に美和子と咲太、そして離れて暮らす父を含めた四人で出願先を決める相談の中、花楓が下した決断は、「兄や麻衣と同じ峰ヶ原高校に通いたい」と言ったものでした。

しかし、不登校児で内申点が悪い彼女が、県立の全日制高校に合格することは簡単なことではありません。

美和子は、その点を心配し、スクーリングとレポート提出のみで毎日の登校が義務付けられていない通信制の高校に入学することをすすめます。

双方の意見をきいていた咲太は、花楓の意志を尊重し、麻衣やその妹ののどかにも協力してもらって花楓の峰ヶ原高校受験を応援することにしますが、その一方で、駄目だった時のことを考えて、美和子と共に花楓に内緒で通信制の高校の説明会にいきます。

咲太が通信制の高校の説明会に参加して受けた印象は、それまでの咲太の通信制高校のイメージとは異なりました。

その通信制高校は、毎日の登校が義務付けられていないという意味で、全日制の高校に比べて「ふつう」ではありませんが、その説明会で上映されたビデオに映っている生徒達は皆、活き活きと「学校生活」について語っていたのです。
特に、芸能活動をしているのどかも所属しているアイドルグループ「スイートバレット」のメンバー、「広川卯月」の次の言葉は咲太に強い印象を残します。

「私ってなんか空気読めないってよく言われて、クラスでも一人になっちゃって……空気って吸うものなのにおかしくないですか? それで、学校つまんなくなって、毎日行くのが嫌になって……半年くらい不登校だったんですけど、この学校のこと知って、興味でちゃったから、前の学校やめました。今は友達いますよ! やっぱり空気よめないねっていって笑われるけど、みんなおもしろがってくれてます」


通信制高校はそこに通う高校生が少数派であるという意味ではやはり「ふつう」ではありません。しかし、在校生の卯月達が楽しそうにきらきらとした希望をもっているのをみて、この学校も花楓の選択肢の一つになり得るという思いを説明会に参加した咲太は抱きました。

一方、花楓は兄と同じ高校に入るために懸命に受験勉強に励んでいます。
しかし、その花楓が峰ヶ原高校に拘るのには、兄にも言っていない理由がありました。


猛勉強の結果、なんとか合格ラインの学力に到達した花楓は、受験を受けに試験会場である高校にいったまでは良かったのですが、受験中に気分が悪くなって受験をリタイアしてしまいます。

 

それを知って花楓がいる保健室に来た咲太は、試験監督の担任教師から受験途中で退席した花楓が教室に残した鞄を取りに行くように言われて、その中に入っていた一冊のノートを偶然読んだことで花楓が峰ヶ原高校に拘っていた理由を知ることになります。

 

花楓は自分の中にかつて存在した「かえで」の為に、峰ヶ原高校を目指していたのでした。
ここまで読んでいる人は、おそらく「青春ブタ野郎はお留守番妹の夢を見ない」を読んでいると思いますが、簡単に補足しておくと、花楓は不登校児だった二年間、いじめというつらい現実から身を守るために解離性同一性障害という病状を引き起こし、それまでの記憶を失った「かえで」として過ごしていたため、その間の記憶がありません。

 

そして解離性同一性障害が治った今、もうこの世界に存在しない「かえで」が残したノートに記されていたのは、「お兄ちゃんと同じ高校に行きたい」という願いでした。

そのかえでの願いを叶えるために花楓は峰ヶ原高校への入学を望んでいたのです。
そのことを知った咲太は花楓に自分自身が本当に峰ヶ原高校に行きたいと思っているのかを確かめます。

 

咲太が花楓の複雑な胸中に気づいていることを知った花楓は、それでもまだ「自分の」決断をすることはできませんでした。それも「みんなと違うのは恥ずかしい」という消極的な理由によってです。

 

しかし、実際には花楓が知らないところにも、彼女が知らない「みんな」が沢山存在します。
ある「みんな」という集団から離れた先でも、必ずしも孤独になるわけではなく、そこには別の「みんな」がいることを花楓に知ってほしいと思った咲太はのどかに協力してもらって、広川卯月に通信制高校の話をしてもらうように頼みます。

「卯月さんはどうして今の高校に通おうと思ったんですか?」と問いかける花楓に、卯月は自分も最初は通信制高校ときいて身構えていたという当時の心境を明かします。今の花楓と同じように、通信制高校は「みんな」とは違う、「ふつう」ではないというイメージを卯月も持っていたのです。

 

しかし、卯月は結局、通信制の高校に入学します。その高校のパンフレットを持ってきた母親の「卯月の幸せはみんなじゃなくて卯月が決めるんだよ」という言葉に加えて、学校という「みんな」に馴染めなかった自分にもメンバーや、ファン、母親という別の「みんな」がいることを思い出し、自分の意志で通信制高校に行くことを決めたとのことでした。

そんな卯月の話をきいた花楓は他の誰でもない自分の気持ちで決断をすることの重要性に気づき、想定外の定員割れで合格した峰ヶ原高校に入学せず、進学する高校は自分で決めると咲太に伝えます。

今巻は、「お留守番いもうと」だった花楓が自ら決断し、外の世界に自分なりの方法で入っていこうとする「おでかけシスター」に成長するまでの物語だったのです。

本作に連なるテーマは「思春期の悩みにどう向き合うか」ということでした。いじめを受けて不登校になっていた花楓の進学に対する悩みもまさに「思春期の悩み」でしょう。そして今巻のアンサーは「自分の幸せは自分で決める」というものです。

 

念のため言っておきますが、この作品は「みんな」と違う道に進むことを読者に推奨しているわけではありません。もし「普通に生きるな!」というメッセージを発するのであれば、それは「普通に生きろ!」という命令とベクトルが違うだけで同じことになってしまいます。自分の意思とは別に誰かに命じられて「普通に生きない」という道を選択したのならそれは自分自身で決めたことではなく他人によって決められたことだからです。そうではなくて、自分がどういう風に生きて行動したいかという思いが、「空気」や「みんな」といった曖昧なものによって決められていないかということを問うているのだと思います。

当たり前ですが、自分の決断(あるいは決断しないこと)の責任は自分以外の誰かが取ってくれるものではありません。まして「空気」や「みんな」が取ってくれるわけではありません。

だからこそ、自分なりの「幸せ」というものを考えた上で、自分自身の気持ちに正直になったら良いのではないかというメッセージを鴨志田さんはこの作品に込めたのではないかと思います。

今巻だけではなくこのシリーズは全体的に「空気」といった曖昧なものに抗う「青春ブタ野郎」の咲太が奔走する話です。「空気」や「みんな」に苦しめられた結果として発症する「思春期症候群」というSF的な症状を咲太が解決していくというプロットがそれを象徴的に表しています。このシリーズは、思春期に(あるいは大人になった後もずっと)陥りがちな「空気やみんなにあわせなければならない」というストレスフルな精神状態の救いになり得る作品であるというわけです。


さて、ここまででレビューはひとまず終わりです。ですが、このシリーズは現在も連載中であり、今巻でも話の本筋とは別にいくつかの「謎」が提示されることになりました。その布石は次巻で回収されることになるでしょう。青春ブタ野郎の奔走は続くのです。次は一体何が咲太を待ち受けているのか……。そして彼がみた「夢」とは一体……。今から次巻が楽しみでなりません。

理想の主人公とは誰のこと? 『西野~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~』感想

理想の主人公像とはどういったものでしょうか。

ライトノベルを嗜むオタクな皆さんなら、こう聞かれたとき、ありがちな主人公像としていくつか思いあたるものがあるでしょう。
俺TUEEEE系主人公、やれやれ系主人公、鈍感系主人公……

すぐにあがるのはこのあたりでしょうか。

 

ライトノベルではヒロインの性格や見た目ばかりが重視されがちですが、実は主人公のキャラクターもラノベをヒットさせるための大きな要因になっているのではないかと私は思います。
考えてみれば、ライトノベルの読者の中には主人公に自己を投影して、その行動原理に共感したり、活劇のシーンで興奮したりする人も多くいるわけですからこれは当然です。
読者が所謂「萌え」を感じるのはヒロインに対してですが、読者が自己投影するのはヒロインではなく、それと結ばれるであろう主人公であるのですから、主人公が魅力的でなくては困るわけです。

 

物語を読んだ読者が、主人公の行動原理にまるで共感できない場合や、活劇のシーンが当初の設定から見て矛盾が生じるものである場合、読者はすぐに物語の世界から現実に引き戻され、本の頁を捲る手を止めて、現実に帰っていってしまうでしょう。そして二度と戻ってくることはありません。

 

従って、時にライトノベルの主人公は、表紙を大きく飾る貧乳金髪ロリータガールよりもしばしばその物語にとって重要なファクターとして我々の前に立ち現われるわけです。

 

今回、紹介するライトノベル、「西野~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年」もまた、主人公がとても魅力的なライトノベルです。

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西野 ~学内カースト最下位にして異能世界最強の少年~

 

内容について話をする前に、突然ですが、ここでこれを読んでいる皆さんに問いかけたいことがあります。

 

皆さんは所謂『イケメン』ですか?

 

具体的には二重瞼で、歯は黄ばみが一つ見られないほど白く輝いていて不揃いなものは一本もなく、顔のサイズは日本人平均よりもやや小ぶりで、小さい頃お父さんに連れられて通ったカット2000円の理容室を卒業して、お洒落な人種が経営するカット5000円の美容室に行き、きちんとファッションカタログを読んで美容師と相談した上で自分に似合う髪型を選んでいますか?

 

いついかなる時も場を盛り上げるトークスキルを磨くことを忘れず、周囲の人間を楽しませていますか?
カメラを持った雑誌編集者に渋谷や原宿で声をかけられ、読者モデルを経験したことがありますか?

もしここまで聞いて自分は『イケメン』だと躊躇なく断言できる方はとても幸せな人です。
是非そのアドバンテージを活かして今後の人生をより有意義なものへと変えていってください。

逆にここまで読んで自分は『イケメン』ではないと思ったフツメンのみなさん、共に頑張りましょう。今挙げた例の中の行動面に関する事柄について言えば、フツメンにもやれる事がある筈です。

 

しかし悲しきかな。生まれ持った顔というものはどうしようもありません。遺伝子というものは無情であり、外的要因を考慮に入れなければ、人の顔の骨格というものは生まれつき決定しています。
勿論、太っている人がやせたり、日々をポジティブに過ごしてよく笑うことで表情筋を鍛えたりして顔の印象を変えることはできるでしょう。
しかしそれでも、すべての人間が整形手術を抜きにした努力で雑誌やテレビで持て囃されているような人気俳優並のルックスを手に入れ、『イケメン』になれるかと言うと、やはり疑問が残ります。

 

さてなぜこんな話をしたかというと、このライトノベルの主人公、西野が所謂『イケメン』ではない『フツメン』だからです。

本文の説明によると、西野は

出で立ちは極めて普通の日本人。都内に所在する高等学校指定の制服姿。一重まぶたに不揃いの歯、やや突出した頬骨。髪型は彼くらいの年頃の男が美容室や床屋に行き、何も言わずに長さだけ伝えたら、そうなるような髪型

であるということです。普通です。日本のあらゆる教育機関の教室にいくらでもいそうな男子です。
しかし、そんな西野の内面はその外見に反して全く普通ではありません。

 

まだ学生である西野が裏で行っている仕事は、不思議な力、異能を用いて要人の護衛を行うなどといった裏稼業です。

殺すか殺されるかの環境に身を置き、気取りたがりの裏稼業の人間とつきあっている影響もあってか、西野の口調は普通ではありません。

 

例えば、彼がビッチだと言って嫌っているフランシスカという金髪美女に仕事を頼まれたときは、

フランシスカ、俺はアンタの顔がこの世で五番目に嫌いだ。ちなみに六番目に嫌いなのはジョージ・ブランメル肖像画だ。あれは人を馬鹿にしている

と気取った言い回しをして追い払います。この台詞、私なんかはカッコイイと感じてしまうのですが、それはあくまでイケメンが言っている場合であって、やはりフツメンの西野がこれをいっていると考えるとどこかおかしさを感じてしまいます。実際、フツメンの友達が大真面目にこんな喋り方をしていたら私は笑ってしまいます。
そしてそれが何度も繰り返されるようであれば、やがてそのおかしさは苛立ちの元へと変わっていくでしょう。

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参考:ジョージ・ブランメル肖像画

 

しかし、西野はふざけているわけでもなんでもなく、大真面目にこの喋り方をしていて、普段通っている教室でもこの調子なので、当然、聞いているクラスメイトは鬱陶しく、西野との距離を置こうとします。そうした経緯で西野は「学内カースト最底辺」になってしまったわけです。

 

これはそんな自らの状況に危機意識を持った「学内カースト最底辺」の西野が異能の力を使ってクラスメイトの危機を救っていき、学内カーストを一気に駈け上ろうとしたり、やっぱり無理で転がり落ちたりする話……ときくと、皆さんはこの物語に救いがないと思うかもしれません。

 

実際、西野は人間としては根本的な部分が良い人であるため、その報われなさに読者は同情することになるでしょう。

 

しかし、一巻のラスト、そんな彼にも救いがあります。いや、これは救いではなく真逆の呪いといった方が良いのかもしれません。
何故なら、数ヶ月前、クラスに転校してきた「同業者」の金髪女子は……。

 

この続きはWEB版なり、書籍版なりの方で確かめてもらうとして、最後にこれだけは言っておきます。

 

これはすべてのフツメンに捧げられた、フツメンの物語です。

 

西野の顔は普通です。しかしそれでも西野は魅力的な主人公なのです。今日び、西野のような気取った言い回しをするラノベ主人公は腐るほどいます。
しかしそれらの多くは、物語中でヒロインが「なによ……顔がちょっと良いからって……」などとぼやいて暗に主人公がイケメンであることを示唆します。
それは悪いことではありません。主人公がカッコいいのはいいことですから、私としても普段はそちらを読みます。

 

ですが、たまにはイケメンではないフツメンの話も読みませんか。このライトノベルに出てくるヒロインが可愛いのは勿論のこと、スクールカースト上位のイケメンに比べて外見にディスアドバンテージを持ちながらも、決して腐ることなく前向きに物事を捉えようとする西野は、ある意味、見方によってはカッコいいのです。

 

自己紹介

【自己紹介】

はじめまして。
本日からブログをつけていこうと思います。
おただのというものです。
正確な歳は伏せますが、20代の男です。

 

趣味は、ゲーム・アニメ・映画鑑賞などで

このブログには、

・アニメや漫画、ライトノベル、映画などの感想
・上記に関係するニュース
・オタ活のためのライフハック

などを中心に書いて行こうと思っています。
従って、読者としては

・他人の書いたアニメの感想が読みたい方
・アニメや漫画などの情報を探している方
・効率良くオタ活を楽しみたい方

と言った方々を想定し、楽しんで頂ける記事を書いていきます。
もしよろしければ読者登録等々お願いします。

ただし、今の所は所謂ニュースサイトとしてではなく、私自身が楽しめる趣味の延長としてできるだけ長いスパンで運営していきたいと考えておりますので今後の動向次第では、上記に含まれない内容の記事をあげることがあるかもしれません。

その点は予めご了承下さい。

 

さて、ここで終わってもいいのですが、長文がかけるということがブログのメリットですし、短文で終わるのは少し寂しいので、自己紹介の代わりに、自分が今回ブログという発信形式をとることになった切っ掛けについて語らせてください。

自分がブログを始めようと思った切っ掛けは、私が中学生のころのある出来事にあります。その日は、深夜にテレビで偶々観て以来ずっと続きが気になって毎週見続けていた某アニメの最終回が放送される日でした。

眠気に抗ってなんとかリアルタイムで最終回をみた私は、その余韻に浸りながらもあることが気になりました。そのアニメの抽象的なシーンの解釈が気になり、自分なりに答えは持っているものの、これをみた他の人はどう解釈したのだろうということがどうしても頭から離れなかったのです。


それを知るために私はインターネットの集合知に頼ることにしたのですが、
いざGoogleの検索バーにそのアニメのタイトルを打ち込んで検索をかけた私は思わず驚いてしまいました。
検索結果には、予想を超える数のブログが表示され、多くの人が自分なりの解釈でそこに記事を書いていたからです。
その中には、自分では気づかなかった斬新な切り口の論評もあれば、逆に首を傾げてしまう内容の記事もありましたが、それはともかく、世の中にはこれだけの熱量を持って好きなものについて語る人が多くいるのだと知って興奮し、自分もいつか情報の受け手から送り手になりたいと思うようになったというわけです。

あの夜からもう随分と長い時間が過ぎてしまいました。
それ以来、私は玉と石が混じりあった深夜アニメを観続け、時に興奮し、時に落胆してきました。何度も『もうアニメや漫画をみたり読んだりするのはやめよう。そんなことをしている時間は無駄なのだ』と自分に言い聞かせ、オタクをやめようとしました。
しかし結局はやめられず、また嵌ってしまうのです。

昨今はクールジャパンなどの潮流も手伝い、アニメや漫画が文化として再評価される傾向にあります。
ですが、それを愛する多くの人はすべてのアニメや漫画が優れているわけではないことを知っています。

それにも関わらず、とんでもない駄作かもしれない目の前のコンテンツを消費するために時間とお金をかけてしまうのは
いつか自分の人格にさえも強い影響を及ぼすような珠玉の作品を探しているからでしょう。
過去にアニメを見たときに感じた「好き」という感情が忘れられないのです。
「好き」という気持ちは人間の意思決定において、恐らくは最も強い感情なのだからそれは当然でしょう。

アルコールが好きな人はお酒を飲みます。依存症になって身体を壊しても尚飲み続けてしまう人もいる程です。
勿論、依存症は良くありません。しかし適量であれば、日々の雑事を紛らわし、時には予期しないコミュニケーションの活路さえも開いてくれる良薬にもなり得るのです。

私はお酒も好きですが、アニメや漫画、ライトノベルも好きです。
そしてその「好き」の気持ちを発信したいのです。
お酒が好きな人が地酒や銘酒の話をするように、好きなコンテンツの感想を言ったり、関連商品を紹介したいのです。

私がブログを始めようと思ったのは、詰まる所、これが理由です。
従ってこのブログでは「好き」を発信することはあっても「嫌い」を発信することはあまりないと思って下さい。
批評や論評は必要なことですし、ネガティブな感情に基づいて書かれた記事は時に人を魅了しますが、私が伝えたいのはあくまで「好き」という気持ちだからです。

だからこのブログのテーマを一言で表すなら

「好き」を発信する

となります。

それではよろしくお願いします!